信じられないほど1週間が早い。寒さに雪に仕事に追われ、帰宅すればしたで基本無料ゲームとオーバーウォッチであっという間に夜が更けてしまい、寒さで毛布を脚にかけ始めたら瞼も言うことを利かない毎日だ。
それでも流石に週末気分がもたげ出す金曜の夜、なにげなく見始めた北九州連続殺人事件の犯人の息子に話を聞く番組に釘付けとなった。
事件の名前を聞いても「どんな事件だったっけ?」と思ったものの、犯人の顔と事件の概要を聞いてそんな事件もあったなと記憶が蘇った。当時幼かった殺人犯の息子が24歳になっているというから、こんなところでも時の流れの速さを感じたものである。大の大人を含め、7人もの身近な人々を殺し、殺させ、遺体をバラバラにして処理したとする衝撃の内容故に、報道が自主規制をかけたという大事件を実際に目撃することとなった息子の話は実に生々しく、どんなフィクションも吹き飛ぶ怖さがあった。
言われるがままに従いお互いを傷つけあった末死んだ大人の被害者達は兎も角、実の子であるのに酷い扱い(まともな食事も与えられず、気に入らなければ電気で虐待。母親に背中から刃物を突き立てられたことすらあったらしい....)を受けていた息子には、その環境から脱出する術などまったく無かったであろうことは容易に想像がつく。しかし、もしも自分が同じ状況に立たされたとしたら何が出来るのか?を予測するのは難しい。
犯罪者の身内に必ず訪れる世間の風当たりの強さにも耐え、何かが欠けた自分を持て余しながらも真っ当な生き方を模索し、憎むべき対象である両親とも向き合おうと努力している彼は凄いとしか言いようがない。
満足のいく愛情を注いで貰えなかった彼は、ようやく落ち着ける職場にありつき、同じような境遇の女性と結婚したらしいが、子供を作る気にはなれないそうだ。今の日本が少子化になっている本当の理由は、彼が手に出来なかった物の中にあるのかもしれない。
誰かよりマシという感覚で話すには間違いだが、僕は彼に比べれば遥かにマシな環境なのは否定しようがない。少なくとも限られた時間をゲームで浪費出来るくらい呑気な人生なのだから。