無差別八方美人?

全然無差別じゃないおじさん

伊藤計劃

私情がフィクションを越える瞬間を見た「屍者の帝国」伊藤計劃・円城塔(原作)/WIT STUDIO(制作)/感想

伊藤計劃氏の残した代表的な3作品を映像化するプロジェクトが幕を閉じてから早くも1年半以上が経ち、今月からNetflixでも配信されるようになったのをきっかけに最後まで観るのを躊躇っていた「屍者の帝国」を見てみることにした。 舞台となるのはヴィクタ…

後ろ髪引かれる点は、見事に表現出来ている気はする....「虐殺器官」伊藤計劃(著)/村瀬修功(監督)/ジェノスタジオ(制作)/感想

ここ数日、ニュースはアメリカの中間選挙一色だった。 中間選挙とは、4年の任期のうち2年経ったけど自分たちの選んだ大統領は実際どうよ?と問う選挙なわけだが、結果は予想通りトランプへの反発が根強いことを示すものになっており、下院を落とした苛立ち…

文字で紡がれる遺伝子「伊藤計劃トリビュート2」 ハヤカワ文庫JA/感想

故”伊藤計劃”氏が作家デビューしたのは10年前。作家として活動したのはたった2年。 にも関わらず、代表作が劇場アニメとなり、大勢の作家にトリビュートされているのは何故なのだろう? 正直僕には小難しいことは分からない。でも分からないなりに彼の作…

"作らざる者語るべからず"そんなこと分かっちゃいるけれど.....「ハーモニー」伊藤計劃(原作)/なかむらたかし、マイケル・アリアス(監督)/STUDIO 4℃(制作)/感想

世の中には”中身”を無視した生理的嫌悪というやつで、出合頭から受け付けないという事がままあったりして、悪くすると見た目だけで「さようなら」と言いたくなる出会いもある。長いこと観るのを先延ばしにして来た「ハーモニー」も、そんな第一印象の悪い作…

我こそは次代を担うSF作家だ!そういう気迫が心地良い「伊藤計劃トリビュート」早川書房

ゲームに海外ドラマに浮気し放題で遅々として進んでいないものの、4編読み終えて思ったのが、やっぱSFは小説というカテゴリーの中で、一番可能性に満ちた存在なんだなということでした。 SFの多くが”近未来”を扱っているからそう感じるのではなく、たとえば…

あいあむ下手の横好きじゃぱにーずっ!「THE FUTURE IS JAPANESE」早川書房/SF短編集

僕はSFが好き。そして読書が好きだ。 しかし、大した学も無く、学ぶ根気が保てない僕は並みの読解力の読者です。 作者の意図したメッセージを勘違いしたまま受け取りもするし、難しい表現や漢字を理解出来ないままにして読み進めることもしばしば。それでも…

アナタの生きた証になりました「ハーモニー」/伊藤計劃/2008年/早川書房/小説/感想

昔から「人類の歴史」は「戦争の歴史」であると言われるほどに、人間は何度も戦争を起こしては静めて来ました。 まるで何かを調節するかのように、自主的に始め、自主的に終わらせるのです。 何処かの誰かも言っていました。 戦争を始める時は「命より大事な…