まとまった休みがあると、必要なことから、そうじゃないことまで、色々とやる気になるから面白い。
もうこれ以上、年内はブログを書かないだろうと思っていたのに、実写版シティーハンターが面白過ぎて、ついついキーボードを叩きたくなってしまった。
「冴羽獠」
その名を口にしてどれだけの人が”シティーハンター”を連想するだろうか?30代半ば〜40代なら必修科目に近い気もするが、10代20代は親兄弟の影響や、よほどの漫画好きでもない限り「誰それ?」と言われかねない。
プロの”スイーパー”(黒い意味での掃除屋)であり、新宿の種馬な”もっこり男”でもある、ギャップが酷い冴羽獠なのだが、幼少期に飛行機事故で両親と死別し、なんとか生き延びた自分も反政府ゲリラに育てられたと云う過去を持ち、原作の続編的立ち位置の「エンジェル・ハート」では、更なる不幸を背負うことになっていて、彼が抱える闇は実はかなり深い。
しかし「シティーハンター」のストーリーそのものは、コミカルさとシリアスがバランスよく配合されており、王道バディ漫画として実によくできていた。新宿の必殺仕置人と言って良いくらいに、依頼を受け悪い奴をやっつけるヒーロー物として楽しかった。そして、仕事でかち合うことになる海坊主や、自分の色気を最大限利用する警視庁の野上冴子、そして獠にとって親友の妹であり、それ以上の存在である槇村香。彼らの存在なくして、冴羽獠とシティーハンターは語れない。2年前、フランスの実写版が公開された時は、それらをちゃんと料理出来ている気がしなくて見る気にならず、ジャッキー・チェン主演版の悪夢の再来くらいにしか思っていなかった。
それがどうだ?お正月休みの気まぐれで見始めた途端、その面白さに翻弄されてしまった。開始1、2分で既に面白過ぎるのだ。実写版ビバップにこれがあればなぁと独り言るレベルの出来である。見るまでは不安要素でしかなかった原作キャラに寄せた服装や髪型も、気にならなくなるほど内容がシティーハンターになっており、アクションの見せ方も多彩でスピーディー。下ネタも当然健在で、本作の鍵を握る惚れ薬ならではのトラブルが次々起こって何度も爆笑してしまった。これは劇場でも笑いを堪えきれなかったお客が多かったことだろう。いっそ元旦に見れば良かった。笑って一年を始めるに相応しい作品だ。
今回吹き替えで見たことも、楽しめた要因な気がした。主役二人は変更され、冴羽は山寺氏が演っているが、これはこれで、ちゃんと冴羽獠になっているからたまらなかった。その他の主要人物は同じ人たち(TVアニメシリーズと同じと云う意味)が演っているし、これまで冴羽を演っていた神谷さんや、香を演っていた伊倉さんも、別の役で登場しているから思わずニヤリとしてしまう。逆にこれは過去作を見直したくなるなぁ....良い相乗効果を生む実写版となっている感じがする。
ちゃんと原作を愛してる人であれば、その人種は関係なく良い物に仕上げてくれるものだなと思った。
続編とかやっても良さそうなくらい面白かったよ。
良い気分で2022年を迎えられそうだ