諸事情(財政)によりなかなか新譜を聴けずにいましたが、ようやくフルで全ての曲に耳を傾けることが出来ました。
ベスト盤やカバーアルバムを挿みつつ、しっかり毎年のようにアルバムを出してくれるねぇやん。
今回はかなり新しい刺激を織り交ぜた一枚な気がしました。
楽曲にしても歌詞にしても、表現者として新しいものを出してゆきたいと言う強い想いが出ていましたね。「いらいらいらい」と「貘砂漠」だけを切り取って聴くと、もはや別人のアルバムを聴いているくらいに変化が顕著に感じられます。
もどかしさに髪を掻きむしりながら、音にし切れない感情が叫びを上げている。そんなねぇやんの姿が脳裏には浮かぶような一曲一曲でした。
すらすらと話す方ではないし、思い悩み過ぎるようなナィーヴさもあるねぇやんだけど、芯は強くて「こうだ」と思うことはちゃんと口に出来る女性だと、MCの時やLIVEのコール&レスポンスの際つくづく思わされて来ましたが、「問うてる」を発表してから、メッセージ性を重視した楽曲が増えた気がしますね。
それによって、特徴であった抽象的世界観→聴く者すべてに違うイメージを与えるような部分が、より鮮明なメッセージによって失われて来たところもあるのかもしれない。
そんな一抹の不安が頭をよぎるほどに、彼女の歌は、ここ数年いっぺんに味わっしまった悲しみと喜びによって変化したのです。
生と死に板挟みにされて彼女は何を手にしたのか?
その答えがそこかしこに散らばっている。今までの彼女がこれからの彼女へ変わる瞬間を眼にしているのかもしれない。
既存のファンは戸惑うところもあるでしょう。今までの彼女をイメージして聴いたのならば。このアルバムから入る人達は安藤裕子をどう判別するのかな?とても興味ありますね。
僕は色んなことに挑戦して足掻く彼女の強気なところは好きだけど、ベタさを避け無理矢理に引き出した曲よりは、やはり素直な感情が形になった曲が1番ではありました。今回のグッド・バイでいうと「ようこそここへ」「愛の季節」や「Aloha`Oe アロハオエ」「グッド・バイ」
しかしライブになると光り出す楽曲もあるので、正直グッド・バイに収録された曲中心のライブが見てみたい気分でいっぱいです。
残念ながら今年の後半のツアーに北海道は含まれていませんので、来年のどこかでグッド・バイの曲がセットリストに入ったライブが開催されると嬉しいですなぁ…..
EMTGインタビュー『安藤裕子、7thアルバム『グッド・バイ』、それは終わりではなく始まりの歌』
http://music.emtg.jp/special/2013090273108f38e
関連過去記事
『お帰りなさい。そしてありがとう。「安藤裕子 2013 ACOUSTIC LIVE 5/11 札幌 道新ホール」/LIVE/感想』