大相撲の暴行事件の話ではないが、僕らはTVの向こう側の人達に勝手なイメージを抱き、親近感を覚えたり失望したりする。歌手や俳優のように頻繁に姿を見掛ける人が、薬物で捕まったりすると「そんな風に見えなかった」「そんな人じゃない」と驚いてしまうものである。
姿をしょっちゅう目にする人でそれなのだから、声のお仕事の人、特に昔ながらの声優さんの実際の人柄など、僕らに分かるはずもないのだけれど、大木民夫さんのような声に深みのある人は無条件で信頼のおける人だと思ってしまう。
僕は生まれた時から祖父が居ない。1人は病気で、もう1人は他所の女性と消えた。だからかどうかわからないけれど、初老より上の男性キャラに滅法弱い。大木さんが演じた攻殻機動隊の”荒巻“は勿論、トップをねらえ!の”タシロ“艦長も大好きだった。
表層を飾るような演技ではなく、長年の苦労で病魔が巣食ってしまった臓器から言葉を絞り出しているような渋い役者さんでした。
心からご冥福をお祈りいたします....