いつもなら、早々に新品で購入するところを様子見しておいて本当に良かった。年約3000円払うだけでEAのゲームを10本前後フルで遊べてしまうXbox One用のサービス”EA Access”様様です。
BFの新作である本作を、今回に限って見送ったのは、昨年辺りからFPS熱が冷めているのと、戦場ではなく警官の世界を舞台に移したことへの、一抹の不安が拭い去れなかったからかもしれません。実際、ハードラインをプレイして思ったのは「なんでこの内容に"BF"と付けたのか?」でした。
確かに言葉の意味合い的にはバトルフィールド=戦闘領域で間違いないのかもしれませんけど、ファンの頭の中では確実に戦場でドンパチをやらかす戦争ゲームというイメージがあるわけで、まさかスニーキングしながらドラッグの売人だのギャングだの汚職警官だのを相手にするゲームを想像することなんて出来ません。BFのシステムを踏襲してるからという理由以上に、BFの名前を付けた方が売れるから、CoDのように毎年市場に名前を出しておきたいから、そんな仕様もないEAの目論見が脳裏によぎります。
正直言ってゲーム的にはグダグダでした。毎回主人公は何処ぞに乗り込んで敵を皆殺しにして進んだり、片っ端から逮捕しても良いんですが、大声で犯人に声を掛けているのに、近くにいる他の敵が全然気付かない(視界の範囲に入らなければ)のもおかしいし、取り押さえられる時に犯人達が口にするセリフが単調で興ざめしてしまう。しかも主人公は無尽蔵に手錠を取り出すから空いた口が塞がら無い...
犯人達を殺さず捕らえると警官としてのランクが上がっていったり、スキャナーを使い証拠品を集めるような要素がある割に、その結果がエンディングにまったく反映されないのが、また、つまらなかった。元々ボリュームが多いわけではないけれど、キャンペーンの一周を短くし、良い警官として進むか、悪い道へと逸れて行くのか、細かな分岐を用意して重複するミッションがほとんど無いようなマルチエンディングスタイルにしてくれたら、もっと楽しめたんじゃないかと思いました。前回は一応マルチエンディングでしたが、ただ単純にどちらを生き残らせるか、という点だけが違う物でしたし、そろそろプレイヤーの選択でエンディングが変わるような物にして行かないと、本当にマルチだけが目的のゲームになって行きそうな気がしてならないです。
真面目な警官が仲間の裏切りに遭い収監され、その後の反撃までを描いたハードラインのストーリーは、個人的に結構好みで、主人公の上司が「ザ・シールド」に出ていた”ベニート・マルティネス”だったおかげで一筋縄でいかない刑事物の雰囲気を存分に味わえたからこそ、尚更もう少しなんとかならなかったのかと思ってしまいます。終盤の展開に若干無理が有ったものの、続編作れそうな終わらせ方してましたし、これ次、あるんでしょうか?.....
僕のFPS熱が冷めた理由は、ごくありふれた話が原因です。ラグのせいで撃ち合いに負けたり、執拗に僕を狙うプレイヤーに出くわしたり、逆恨みして酷い内容のメールを送って来る人が居たり、リスポーンを狙う人、這いつくばってスナイピングしかしない人、他にも書ききれないほどのストレスに嫌気がさしたのです。だから本作もマルチに一切触れていません。
一昔前のBFは、スポーティなCoDと違って、もっさりしたリアル寄りの動きが売りだったのと、敵を殺すだけでは無く回復、補給等の重要性も高かったので、初心者も入って行き易い空間だったように思うのですが、BF3から一気にスポーティなFPSに鞍替えしてしまったのが残念でなりません。
広大なフィールド。陸海空の兵器。重量感のある兵士。それらのリアリティーが遊び易さのために犠牲になったのでは本末転倒です。CoDに近づくのではなく、独自の路線を行ってこそBFなんじゃ無いかと思うBFハードラインでした。