戦争根絶を目指し、自ら世界の業を一挙に背負う事を決め、戦い続けて来た”ソレスタルビーイング”のメンバー達。創設者である”イオリア・シュヘンベルグ”の遺した計画の真意とは、そして「来るべき対話」とは何の事なのか?その辺りがこの劇場版で明らかになったわけですが、完全に当初の展開から大きく生まれ変わってしまった気がしますねw
当初はイオリアが計画した戦争を無くす為のプロセスをメインに、大きなうねりに翻弄される人々を描いており、進化した人類イノベイターが現れてから、少し雰囲気は変わったものの、人間ドラマとしては見応え充分な作品だったと思います。
しかしテレビの終盤から劇場になると、リアルさから更に遠のき、ちょっとしたSF小説の様相を呈しており、あらゆる存在に融合し接触を図って来る金属生命体「ELS」との人類存亡を賭けた、チカラだけではどうにもならない絶体絶命な状況をどう打破するのかという、SF好きなら何処かで観た事があるような展開は、今までのガンダムとはかなり掛け離れたものでした。
大風呂敷を広げ、ちょっぴり突飛な着地を決めてしまったガンダム00。宇宙からの訪問者への対応力を養う為に、様々な計画を遺したイオリアが、あまりにもスーロボの”ビアン・ゾルダーク”と被って見えた事も、微妙にオリジナリティを疑ってしまったりしましたが、これはこれで良いEDだったと思わなくも無い。ネットで叩かれているほどには、悪く無いと思います。戦争を根絶する為に何が大事なのかと言うテーマも、最初から最後までしっかり貫かれていましたし、ガンダムAGEのように色んなガンダムの良いところを踏襲してストーリーに昇華するよりは、かなり骨のあるガンダムとなっていました。
ただ、こういうガンダムの終着点を求めている人は少ないかもしれないですね。あくまでも人間VS人間である事が、「ガンダム」である気がするわけです。いっそガンダムと言う名を使わずに、こんな馬鹿でっかい理想論を掲げたアニメを作れれば良いような気がしますなwメカ物で完全オリジナルなアニメが最近少ないので寂しい限りです....
萌えアニメを作るか、アニメに「ガンダム」って付けなきゃサンライズで予算とれないんだろうか?完全オリジナルな水島精二作品がまた観たい!今放送中の「夏色キセキ」みたいなのも面白いけど、ダイガードを超えるメカ物の方がもっと観たいですよ監督〜☆