何気なく「昭和物語」と言うアニメを観ていた。BSで全13話を毎日1話ずつ一挙放送していたからだ。
世に言う所の「古き良き時代」である、高度成長に湧いていた60年代〜70年代の日本に焦点を当てているので、若い世代にはまったく未知の日本の姿だろうし、33歳の僕でさえ遥か昔の出来事でしかありません。
しかし、この作品の家族のようにウチは僕を含めて子供が3人いる家でしたし、一緒には住んでいなくても近くに住んでいる祖母ともしょっちゅう顔を合わせるような生活をしていたので、この時代の家族構成と近いものを感じてしまい、思わずホロリと来てしまうシーンも多かったです...
貧乏で不便で現状に不満があろうとも、お互いに我慢し協力しあって、たまに喧嘩をしたって心の根っこではちゃんとお互いを信頼し合って生活をしていたあの時代は、実際にその刻を生きて来た現在年金生活をしているような方でなくとも、気持ちの良い時代だと感じるのでは無いでしょうか?
当時が本当に良い時代かどうかは、そこに生きていた人々にしか分らないでしょうけど、現代の家族の在り方には何か足りない物があるように思います。仕事や塾等、生活のリズムが家族ごとに違うから、食事はそれぞれが勝手に食べ、ケータイでもPCでもテレビでも、自分専用の物を持っている人が増えたため、家族全員で共通した何かを楽しむ機会は少なく無くなってゆく。そうなると家族のコミュニケーションは直に顔を合わせて行う事が減ってしまい、極端な家族になると、お互い家にいてもメールでやり取りする始末。
こんな事をしていたら、どんどんお互いへの情が気薄になってゆく気がします...
かく言う僕も、仕事の性格上食事が不規則になり、家での時間を有効的に使いたいのもあって自室で食事をとっている人間の1人です。昔は家族が揃ってから食事を摂っていましたが、僕が就職してからは、それぞれ帰宅時間も違いますし、自然とこんな状況になってしまいました。テレビだって各部屋一つずつあるし、母親はDSで遊んでいるし、みなそれぞれ自分の時間を過ごす事が多くなってしまい、しかもそれに慣れてしまうんですよね....
今の生活の全てが悪いとは思わないし、もう昔には戻れ無いのも確かです。でも、家族だけじゃなく近隣の人とだって、にこやかに生活しあい、将来の展望を信じ助け合って生きていた時代の心の豊かさを想うと、今の個人主義な生き方が寂しく哀しいものに感じてしまうのも、正直なところなのです。
沈んだ太陽は同じ場所からは昇らない。だから戻れ無い時代を懐かしんでいるだけでは一生新しい大陽は産まれないでしょう。だから幾ら羨ましく感じる時代があろうとも、いつかは昇る太陽を信じて生きてゆかなければいけない!
そんな事は、頭の中じゃ良く分っているんですけどね........バタリ
昭和を生きていない世代にとっての「古き良き時代」とは、どの時代になるのでしょう?それとも、そんな輝かしい時代なんて何処にも無かったと感じているのでしょうかね........
何かとぐだぐだ考えてしまう作品だったなぁ(´-`).。oO