酷い映画だったなぁ.....実際に起きた事件をモチーフにしているので、とにかくディティールが生々しいんです....肉は細かく刻めとか、骨と肉は分けろとか......ウヘェ.....
女房や娘に何も言えず、嫌な事は見て見ぬフリな気弱な熱帯魚店主の男が、ひょんな事から知り合った、大型熱帯魚店を経営する自分とは真逆な垢抜けた中年男に、突然殺人の共犯にされてしまうわけなんですけど、これがホントに居そうな殺人鬼なんです....
無茶苦茶な論法で生死を語り、気に入らないヤツは片っ端から『透明』にする中年男を演じるのが”でんでん”
彼の顔は人懐っこいのに、何故か殺人鬼としてのリアリティを凄く感じました。殺人なんて、狂ってなきゃ平然と出来るもんじゃないと思うので、でんでんのあの笑顔が血みどろになるのは、凄く説得力があるんですよ....
そんな”でんでん”に流される主人公は凄くイライラしました。でんでんに押されて何も言い返せず、命令されたままにいう事聞くなんて大馬鹿過ぎる....
でもそんなずっとカッコ悪くて鈍臭かった主人公が、最後はなんか振り切れてしまう辺りになると、逆に可哀想になりました.....精一杯の勇気の一言も、娘には届かずに終ってしまいますしね...................
もうこれ以上は内容を言いません。言うだけ野暮ってもんですからw
後味は最低です。感動もへったくれもありゃしません。ただただ血みどろで、しばらくお肉は食べたく無くなる悲しいお話です.....
うーむ。見方を変えれば、殺人鬼による、一人の男の心の解放までを描いた映画だったと思えなくも無いかな.....ボソ