とうとう本当に読み終わってしまった。
長いようで短かったアースシーの物語。振り返ると、沢山の出来事がありました.....
”ハイタカ”が呼び出した恐れと言う名の影との戦いも
闇の神殿に心を囚われた少女”テナー”の葛藤も
若き王子”レバンネン”と、ハイタカの文字通り地獄のような旅も
人々の悪意に晒され生きて来た竜の娘達の高潔さも
実に多くの『武勳』を、アースシーに住まう人々は僕に教えてくれました。
強く、弱い者達の心の旅には本当に沢山の事を考えさせられ、ただの娯楽ファンタジーに留まらない『生きる』事の大切さを伝える心理描写が、骨身に沁みるほど心に残りました….
映像化では絶対に伝わないものが、小説になら伝える事が出来る。そんな事を再度実感するほどの活きた世界が”アースシー”だったのです。
だから、物語に生きた人々と別れるのが辛い…
ハイタカを心の底から愛した”オジオン”やオタクの”ヘグ”、いつも美味しいとこだけ持ってく”カレシシ”、とても苦しい旅を”アニエブ”とした”メドラ”の事も忘れられない….
名残惜しいけれど、アーシュラ・K・ル=グウィンさんの描くアースシーはきっとこれで終わり。しかし、今も何処かで魔法と竜の生きる世界は広がり続けている事でしょう。
名作は死なず。素敵な世界をありがとうル=グウィンさん......