※若干ネタバレあり。
彼は質屋だった。小汚いボロボロのそのお店には、お金に困った人間と、少し困った隣人の幼い娘だけが訪れていた。
過去の出来事により、暗く心を閉ざしている彼を少女は”アジョシ(おじさん)”と親しみを込めて呼び、彼は困惑しながらも少女の面倒を見てあげていました。
しかしある日、少女が窃盗の容疑を掛けられている場面で、彼は少女の助けを拒んでしまう。唯一の理解者であると思っていたおじさんに裏切られ傷ついた少女は、彼の心の奥にグサリと刺さる言葉を投げかけ、彼の前から去ってゆく....
少女の寂し気な後ろ姿に後ろめたさを感じる彼。少女を大事に思う心があるからこそ、彼は素直になれない。深い理由があるのだ。しかし彼はその時素直になれなかった事を後悔する。薬物に溺れていた少女の母が、ヤクの売人からクスリを奪い怒らせてしまい、その巻沿いになって少女も攫われてしまう。
彼は過去の記憶と少女を失った衝撃を重ね、命懸けで少女を救おうとするのだが......
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とにかく全てに心を閉ざし、むさくるしい髪型で顔を隠す表情の乏しい主人公”テシク”を”ウォンビン”が熱演していて素晴らしかった。瞬き一つしない冷徹な表情も、怒りに我を失った時の恐ろしい形相も、少女を愛おしく見つめる顔も.....どれをとっても絵になるw
ウォンビンは普通にイケメンですから、演技が下手でも絵になるかもしれませんが、彼は見かけだけの役者では無いですね。徴兵による経験を経たせいか、中身にも深みがあります。こうした危機感の差が、日本の俳優達との大きな差になっているのでは無いでしょうか?
テシクが命懸けで戦うシーンは、ほぼスタント無しの素晴らしい出来。この映画でも見られる韓国映画のえげつない残虐描写が、流れるようなスピード感で魅せるアクションシーンのおかげで緩和されるほど。
しかしま〜ウォンビンの綺麗な顔立ちには血が栄えるw「血もしたたる良い男」と言ったところかなww特にテシクの好敵手になる男との戦闘シーンは圧巻。ナイフ一つであそこまでスタント無しでやれるなんて凄いよウォンビン♡
好敵手役の”タナヨン・ウォンタラクン”もイケメンだし、深みのある表情で良かったなぁ♪作中、少女とのやりとりで、憎めない一面も見せ、結構良い役どころでした。悪役の兄弟もなかなかの味で良い仕事してましたねwイケメンの弟の壊れ方が好き♡
一連の騒ぎを捜査する刑事役にもクセのある役者がいて面白かったのですが、なんで韓国の映画に出て来る刑事って、あんなにダサくて貧乏臭い格好してるんだろとか、そんなとこばかり気になっちゃったなぁwww
(´-`).。oOいまだにあんな粗暴で雑な捜査してるのかなぁ....
全てが終わった後、テシクが少女に掛ける言葉が優し過ぎて、哀し過ぎて.....かなりハマリました。エンディングの曲マッド・ソウル・チャイルドの「Dear」もかなり良い♪テロップ中に和訳の歌詞が出るのですが、この作品にとても合っていました。おかげで作品の余韻にしっかり浸る事が出来た。
久々に韓国映画の良さを実感した映画になりました。役者、音楽、ストーリー、どれをとっても好き。ネガティブな部分を探しまわる必要など何処にも無かった。素直にテシクを見つめ、彼を愛おしく感じ、彼が愛おしく想う者全てを愛おしく感じた....
こんなに良い映画で、韓国で年間興行成績1位を獲得するほどの映画なのに、僕の住む地域では公開から一週間経った土曜の夜に、観客は僕と女性の1人客の2人だけでした....初めてだよ2人だけとかwなんか貸し切り気分で楽しかったけどね♪残虐描写が苦手でなければ、かなりオススメなのでもっと観に行って欲しい。特に女性は観に行ったら良いよw物語が終る頃には間違いなく、テシクを抱きしめたくて仕方無くなっている事でしょう♡
よーし!明日から”アジョシ”の良さを触れ回ろう〜そうしよう♪(*´∀`)
マッド・ソウル・チャイルドの「Dear」PV