デヴィッド・フィンチャーと言う人の映画を少しでも知っている者にとって、今回のソーシャル・ネットワークはかなり異質な作品かもしれない。
だがしかし!化物が出なくても!連続殺人が起きなくても!裸の男が殴り合わなくても!年々見た目が若返る人が主役じゃなくても!充分見応えのある映画を彼は作ってくれましたよ♡
”Facebook”の創設者”マーク・ザッカーバーグ”が、Facebookを立ち上げるきっかけになった出来事からはじまり、その後起こされた訴訟のシーンと織り交ぜいったい何が”彼等”にあったのかが描かれていきます。
正直先の読めるお金絡みの嫌な話でしかない内容で、二時間を魅せるのは普通なら無茶じゃないかと僕は思っていましたが、そこは流石デヴィッド・フィンチャー監督といったところw冒頭で、ただ主人公が自分の寮まで走り続けるシーンでさえちゃんと絵になっていましたし、随所に彼らしいジョークも見られ、121分間をまったく長く感じませんでした。
主人公役の”ジェシー・アイゼンバーグ”の演技もかなり良かった。まさにこういう人種で無ければ世界は切り開く事など出来ないと感じるほど!周りの役の方達も良い味を出していて完成度がかなり高い映画です。特にラストシーンでマークがみせる行動がなんとも言えず後に残りました....
決してハッピーエンドではありませんし、こういう成り上がりな世界を不快に思う方も多いでしょう。しかし、それ以上にこの世界に憧れる人は多いでしょうね。沢山のモノを失い名声と富を得た男。どんなに淋しい人生でも誰もが味わってみたいに違いない...
ちなみに、この映画は公的に分っている事以外はフィクションです。物語としては当然山場が必要ですからねw実際マーク本人も服装以外は事実と異なると言っていたようですし、映画製作段階での取材も断っています。
しかし彼は映画完成後、映画館を貸し切り社員全員を集め映画を観たらしいですよ♪まんざらでも無いんでしょうね。宣伝にもなりますしww
天才と呼ばれる人は、純粋に物事に夢中になり周りが見えなくなってしまい、天才過ぎるがゆえの不器用さですれ違いを産み、大事にしなければイケナイモノを自ら壊していくのでしょう....この映画は、そんな天才の真っ直ぐさの代償をありのまま描いた切ない物語だったと言えるでしょう...(´-ω-`)