何の変哲もない平和な小さな島に暮らす人々。子供達は学校へ通い大人達はそれを見守り仕事をする。そんな一見普通な島の平和は、黄金に輝く人形の巨大生物にうちやぶられる!そして、子供達は知る。自分達の居る場所の真実の姿を....
今なお大きな影響力を持つアニメ、”新世紀エヴァンゲリオン”を彷彿とさせるこの作品だが、エヴァの良い部分を吸収し作品へと昇華しているように思えました。
かつて、エヴァの影響を感じた作品として完成度が高かった”ラーゼフォン”に匹敵、いや、勝っている部分もかなりあるかもしれない。
”フェストゥム”に襲われ、島の本当の姿を見せたあたりから、余計な説明は吹っ飛ばしオレに付いてこいと言わんばかりの展開で、抽象的な言葉のやり取りから状況を感じ取るしかなかったのですが、説明が全て簡潔であれば自分で考える余地もなく、ただの凡作に成り果ててしまったかもしれません。
それにこの作品においては、感極まるシチュエーションの下地をどう作るか、そこに重要さがあったのだと思うので、SF的な説明をしっかりする必要も無かったのだと考えています。
互角に戦う為に、敵である”フェストゥム”の因子を組み込まれた子供達が、自分が自分である為の場所を守る為に戦う姿こそ、ファフナーの神髄であったと思います。島での些細な幸せを大事な人達との思い出を胸に、命を賭けてフェストゥムと必死に戦う彼等の命はとても綺麗だった....現に僕は、幾人もの大事な人達を失ない続けながらも、戦うしかない彼等の姿に何度も涙を流してしまいました......
一人一人が背負う大事な”居場所”の描き方がしっかり描かれているので、死んでいく者達への思い入れが増し、泣かずにはいられ無かったのです。重要な回のエンディング曲をいつもと違うVerにしてくれた事も含め、シチュエーション作りが本当に上手いですよファフナーはww
監督経験の少ない”羽原 信義”さんではありますが、良くぞここまでまとめ上げたものです♪
絵コンテ、演出、原画、これらに対応出来る経験豊富な監督だったからこそ抽象的な今作をまとめあげられたのかもしれません。ただの模倣作にならずに済んで本当に良かった。がしかし、贅沢を言えば、あまりエヴァに似た演出は避けて欲しかったかなwファフナーの発進時の雰囲気。島の防衛機能の描き方。戦闘時の音楽。些細な事ですがエヴァがちらつき、気になってしまいました....このへんだけは残念でした。
さて、一応の終わりを迎えたとは言え、エヴァで言う所の使徒である、”フェストゥム”との共存を賭けた戦いは、いまだ描ききったとは言えない。まだ完全にフェストゥムと分り合えたわけでは無いし、生身を失った”総士”のその後、膨大な量のフェストゥムの情報を得た島のその後、生き残った人類軍のその後、そしてアルヴィスの子供達との戦いで多くの事を学んだフェストゥムのその後など、これから公開になる劇場版にがっつり期待したいところです!!
劇場版が蛇足にならないように、お祈りでもしておきますか(人*′Д`*)オネガイ♡
追伸、総士と一樹はやっぱり...いやなんでもないです♡ニヤ
劇場版HP http://www.fafner.jp/h-and-e/