”天国”と聞けば、丹波哲郎の「大霊界」、”大魔境”と目にすれば、劇場版ドラえもんの「のび太の大魔境」を連想してしまう屈折おじさんとしては、その二つのキーワードが並んだタイトルから湧き出したのは、当然のように訝しむ感情だった。
天国?...大魔境?....ホワッツマイケル!?
未曾有の大災害から15年。
廃墟となった日本の地には“人食い”と呼ばれる異形の化け物が巣食い、
人々は細々と身を寄せ合って生きていた。
東京・中野で便利屋を営むキルコは、とある女性から謎の依頼を受ける。
『この子を“天国”に連れて行って―』
そう言い残し息を引き取った彼女に託された少年、マル。
彼は「“天国”には俺と同じ顔をしたやつがいるらしい」と言うが
それ以上のことは何も知らず、2人は『天国探し』の旅に出ることに。
一方、壁に囲まれた美しい世界で暮らす子供たち。
学園長、優しい先生達・・・。
そこには日々豊かで穏やかな時間が流れていた。
そんなある日、トキオは “外の外に行きたいですか?”という
謎のメッセージを受け取る。
「ここより外の世界があるの?」
初めて芽生えた疑問に戸惑うトキオは
その出来事をきっかけとして、当たり前の日常に違和感を抱き始める――。
廃墟となった日本の地には“人食い”と呼ばれる異形の化け物が巣食い、
人々は細々と身を寄せ合って生きていた。
東京・中野で便利屋を営むキルコは、とある女性から謎の依頼を受ける。
『この子を“天国”に連れて行って―』
そう言い残し息を引き取った彼女に託された少年、マル。
彼は「“天国”には俺と同じ顔をしたやつがいるらしい」と言うが
それ以上のことは何も知らず、2人は『天国探し』の旅に出ることに。
一方、壁に囲まれた美しい世界で暮らす子供たち。
学園長、優しい先生達・・・。
そこには日々豊かで穏やかな時間が流れていた。
そんなある日、トキオは “外の外に行きたいですか?”という
謎のメッセージを受け取る。
「ここより外の世界があるの?」
初めて芽生えた疑問に戸惑うトキオは
その出来事をきっかけとして、当たり前の日常に違和感を抱き始める――。
公式introductionより
自分の中では丹波哲郎のお陰でチープな存在になってしまったが、ポストアポカリプス作品における”天国”は、スパイスとしての価値が非常に高いキーワード。失って初めて貴重な物だったのだと気づく当たり前の生活を表現するには絶対的に欠かせない。壁に守られた未来的な施設で無邪気に育つ特殊な子供達の不穏な生活風景と、文明が破壊され”人喰い”と云う化け物が闊歩するなか逞しく生きる二人の少年少女のロードムービーを交互に見せつけて来る本作にしても、1話の段階で、これ以上ないタイトルなのでは?と感じてしまうほど、必須な2文字だった。「〇〇の俺が〇〇で〇〇する?!」みたいな、くそ脳死状態なタイトルより、心底センスを感じてしまう。
一癖二癖ある登場人物達の愛嬌と狂気が絶妙で、幻想と現実の提供具合もすこぶる良かった。初回からまずは一発かましておこうと云うProduction I.Gの確かな経験と、名作の演出畑で育まれ満を持して監督デビューした森大貴さんのセンス、そして原作の底力あっての仕上がりだった。流石に終盤のあのシーンは、原作よりマイルドな気がするが、あそこはコンプラ的にも難しい部分なので、お疲れ様と云う感情の方が勝っている。また頑張って欲しい監督が増えた。
原作は現在9巻。アニメは6巻までやったと云うことで、しばらく映像での続きは無さそうなので、これはうっかり原作買いそうな気すらしている。兎に角アフタヌーンらしい作品でした。今まさに終末な匂いがぷんぷんする世の中を前に、こうした作品に触れるのは、ある意味リスキーな行為なのかもしれないけれど、魔境をものともしない主人公達を見ていたら、勇気付けられる瞬間もあり、ただただ悲観的であったり、悦に浸るばかりのポストアポカリプスよりは、前のめりな後ろ向きで良いんじゃなかろうか?
多分見た人は例外なく”11号”好きになるよね......w
最後にこれだけは言っておきたい....ロビンぜってー許さねー!!
俺もキルコ(春希)に同じことしたかった.....
シーユーバイバイ ヘ( ゚▽。ヘ)