無差別八方美人?

全然無差別じゃないおじさん

Aナノカ?Fナノカ?それが問題だった

昭和50年代おじさんの子供の頃のTVアニメと言えば
 
手塚治虫作品
 
ジャンプ作品
 
ガンダムシリーズ
 
サザエさん
 
世界名作劇場
 
そして藤子不二雄のお二方の作品だった。
 
 
「パーマン」「ドラえもん」「キテレツ大百科」「エスパー魔美」「21エモン」等をメインで描いたFに対し、「忍者ハットリくん」「怪物くん」「プロゴルファー猿」「笑ゥせぇるすまん」を描いたのは藤子 不二雄Ⓐだったわけだが、長年共作していたこともあって、二人の絵は本当によく似ており、これF作品だっけ?Aだっけ?と云う案件が結構あった。いや、正直、現在進行形でパーマンはAだと思っていた。
 
これほど紛らわしく子供の世界に入り込んでくる作品など、もう今の時代はありえない。似たような絵、似たような話、それは山ほどあるけれど、同じ作者の別作品が何度もアニメ化されるケースが減っているからだ。原作者が同じかどうかより、何処の製作会社が作ったアニメなのか?と云う方が直ぐ分かる。ジブリ、京アニ、新海誠、この辺りは作画を見ただけで大勢に素性がバレてしまうはず。”あの人の作品だ”と、気付かれる原作者は、今じゃ高橋留美子作品ぐらいかもしれない。そう云う意味において、藤子不二雄と云う二人の存在は実に共有し易い稀有なアイコンだった。
 
昨日、藤子不二雄のA氏が亡くなったと昨日が終わる頃になって知った時、失礼ながらまだ健在であったのだなと思ってしまった。なにせFが亡くなったのが1996年である。それだけ歳月が流れ、原作が一人歩きするようになってしまった漫画家の今を、どれだけの人が正確に理解出来ると云うのだろう。数年前に再度アニメ化された笑ゥせぇるすまんが、なかなかの仕上がりだったこと、Aさんはご覧になることが出来たのだろうか?SF面ではF作品が好きだったが、人間のドス黒い部分を描かせたらAさんの方が良かった。似て非なる二人の藤子不二雄。まるでどちらかだけでは物足りない柿ピーのようでもあったかもしれない。
 
手塚治虫さんから続いてきた、大きな時代が本当の意味で終わりを迎えたような気がする。
 
異世界転生が溢れかえっている現代も、いずれ歴史に埋もれて行くのだろう。
 
沢山ありがとうございました藤子 不二雄Ⓐさん。お疲れさまです...