仕事の失敗でモヤモヤしたまま連休に突入した為、いまいちスッキリ休めなかった五日間が終わってしまった。
やったことと言えば、初日に町内のゴミ拾いと家のことを少しと、最終日に掃除をした以外は、アニメとゲームと居眠りの三本立てである。
特にアニメは死ぬほど見た(キングダムは80話以上一気見で死んだ)。なにせ冬アニメの録画が腐るほど残っていたのだ。正直楽しさを通り越して辛いまであったりなかったりしたが、最後は”意地”で消化を達成した。馬鹿な男である俺は。
冬アニメ全体の印象としては、今一歩なものと、佳作が多かったように思う。アイドル物では演劇とアイドルをSFで割った「ゲキドル」のように挑戦と失敗が交互に押し寄せてくるようなイロモノが目立つ中、その中でも群を抜くイロモノでありながら王道を突き進んだ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」と「SHOW BY ROCK!!STARS!!」の続編勢の安定感が際立っていた。耳としっぽが大活躍である。
にしても、まさかのWIXOSS枠までアイドル物をやり始めるなど、異世界物同様日本人はアイドル大好き。
その異世界物だが、男女の好みの差はあれど、個人的にはダントツで「無職転生」が面白かった。引き篭もりの中年男がほんの少しの気まぐれで人を助けようとして死んでしまい、死後異世界に転生して魔法の才能に目覚めていくと云う本作。説明だけを聞いていたら「またか」で切って捨ててしまいそうな内容でありながら、見れば見るほど先が見たくなる作品だった。単純に原作と演出に力がある証拠なのだろう。転生前の男の不快なまでの気持ち悪さや、赤子に転生し魔法を操れるまでに成長していく過程など、一つ一つの過程を大事に描いているため、ただのエロ有り異世界物とは一線を画すリアリティを感じる仕上がり。生前の男の声と、生まれ変わった男の子の心の声を担当する杉田智和の身を削るような演技もハマりすぎで最高であった。
蜘蛛やスライムもそれなりに楽しんだが、転生した先がゲームっぽい異世界と云う設定より、本格的なファンタジーに挑戦している点も、無職転生を一つ上のステップに押し上げていたような気がする。
そういえば、所謂異世界物とは少し違うが、野島伸司がアニメに初参戦した「ワンダーエッグ・プライオリティ」(ここでも挑戦と失敗が垣間見えたが、ようやく押井守がTVシリーズに戻ってきたと思ったら、とっ散らかって終幕した「ぶらぶらど」に比べれば些細なことだ....)、現実世界と似て非なる世界を少女二人が探索する「裏世界ピクニック」、半妖の子供たちと化け狸の探偵が化け物退治をする「怪物事変」もかなり良かった(半妖ならではの残酷な現実と向き合う少年少女が愛おしすぎた....)
ウマ娘やショーバイロックのことを、先に書いたけれど、他の続編勢も非常に元気だった。1度目のアニメ化から20年以上経っているのに普通に楽しませてくれる「真・中華一番!」、原始の時代に戻ってしまった世界で科学を存分に振るう「Dr.STONE」、もう続編なんてやらないんだと完全に諦めていたところへ舞い戻った「ログ・ホライズン」と「ワールドトリガー」、そして揺るぎのない癒しの時間をくれる「のんのんびより のんすとっぷ」や「ゆるキャン△ SEASON2」。ついでに言えば見た目100点なのに頭脳は30点な五つ子といちゃこらする「五等分の花嫁∬」、本家以上にぶっ刺さる「はたらく細胞BLACK」もついつい見てしまっていた。白血球さんのがっちり巨乳、正直好みです(真顔)
そんなわけで、どの作品も本当に楽しかったわけだが、どうしても一つだけ選べと云うなら「BEASTARS」の2期だろう。肉食と草食の壁を描きつつ、それ以上のテーマを内包しているため”じわり”方が半端ではないのだ。ある種の真理に触れる名作で間違いない。
他にも色々と見たが、もう一つ一つ取り上げる元気も出無いのでやめておこう。モルカーや幼女が可愛い短編も良かったし、ギャップ萌えの高校生カップルの距離感に萌えまくったホリミヤなども良さを言い出したらキリがない。
それでもあえて個人的に”これだけは見ろ”と言いたい冬アニメを5つだけあげるなら....
・ウマ娘 プリティーダービー Season 2
・無職転生
・怪物事変
・BEASTARS 2期
・はたらく細胞BLACK
だろうか?
のんのんびよりやゆるキャン、そしてモルカーは俺なんぞに言われなくとも見た方が良い作品なのであえて割愛する。
特に1期を見てない人は遡って鑑賞してもらいたいほどウマ娘とBEASTARSはお勧めだ。競馬がモチーフのウマ娘は、興味が無い人でも十分鑑賞に耐えるものが待っていると思う。なんなら2期から入っても存分に熱くなるだろう。BEASTARSに関しては、繰り返しになるが”じわる”シーンが非常に多く、日常的には自然と踏み込まずにいる領域を草食肉食の共存を例に描いているのが絶妙過ぎてドロドロにハマってしまう。ヤクザ物としても堪能出来るため、オスとオスの熱い関係、そして全てを知ってからの2期のEDには、幾度となく痺れてしまうこと請け合いだ。
さて、これでやっと春アニメ鑑賞のスタート地点に立てるわけだが、録画の数を見ているだけで気が遠くなっている。
果たして追いつけるのだろうか.........無理だな........
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