無差別八方美人?

全然無差別じゃないおじさん

『絶対と云う物は存在しない』と云う”絶対”は存在するので、”絶対”食べた方が良いSFでしたデデデデ「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」浅野いにお(原作)/黒川智之(監督)/Production +h.(制作)/感想

某組織調べでは、6割以上の子供が何らかの野菜を苦手にしていると云う結果が出ていると云うが、やはり親御さんは、あの手この手で子供に野菜を食べさせようと頑張っているのだろうか?

 

様々な事情で値上がりしている野菜を、子供に無理やり食べさせる必要は無いと考える人も皆無では無いかもしれないけれど、食事のバランスを整えるには大事な食材であり、なんなら一度食べられるようになったら、その美味しさの虜になることもざらだ。身的ダメージが発生するアレルギー持ちでも無ければ、食わず嫌いで終わらせるのは本当に勿体無い。

 

細かく刻んで料理に混ぜる。コトコト煮込んで味や匂いを誤魔化す。甘い食材と合わせてスムージーにする。生野菜にドレッシングをかける。そういった手段を足掛かりにして行けば、大抵の野菜は食べられるようになるだろう。

 

 

 

そう考えると、ある意味”SF”と云う物は、社会にとって野菜と言えなくも無い。現在から見ると夢のまた夢に思えるような未来図を武器にしていても、根本は普遍的な物を描くことが多いSF作品は、希望以上に絶望も連れて来るため、貴重な栄養を得られてもクセがある野菜同然に苦々しい味わいなことも多い。そのため、一時期本格的なSFはマニアしか触れない物になりそうな空気感があったが、漫画やアニメで一般人が咀嚼し易い絶妙な匙加減をやれるようになってからは、少々ハードな設定でも皆がSFを敬遠しなくなって来たのは確かだ。

 

そして、”浅野いにお”氏の『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション(略称:デデデデ)』も、そんなSFを食べ易くしてくれた存在で間違いないだろう。

 


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簡潔に説明すると、突如東京上空に巨大な宇宙船が現れ、アメリカ軍が迎撃しようと兵器を使用した結果、壊滅的なダメージを残すことになり、更に未曾有の災害へと繋がって行くなかで、主役の少女達だけでなく、様々な存在が自らの”生”を全うしようとする物語なわけだが、盛り沢山な要素を含んだ作品なので愉しみ方を一つに絞るのは本当に勿体無いと思う。宇宙からの侵略者に対する人類の傲慢さをやったり、年頃の若者達の鬱屈をコミカルかつシニカルにキャラ萌え込みで仕立ててみたり、やり直し系のネタでありながらも、他作品のやり口と上手く外して来てるのも面白かった。考察大好きな人にとっては、かなりしゃぶり甲斐のある骨だったはず。

 

明確なネタバレはしたくないので、詳しいことは全然書く気がないが、個人的には中年男が0話の主役を務めていたことが最高でしかなかった。自分がすっかり中年になってしまったせいもあるが、心身共に草臥れた男が更に絶望的な状況に陥っていく展開が胸熱すぎた。その後の主役である門出や凰蘭の業に塗れた青春模様の下地としても素晴らしい導入だったと思う。日常系を非日常を舞台に演ること自体はありふれたことだが、骨太なSF設定があってこその説得力がデデデデには存在しており、中年男や他の登場人物達抜きで少女2人を描いたところで、こんなにも感情が揺れ動く内容になったかどうかは怪しいところである。群像劇として本当に隅々面白かった。

 

原作を買ってあったのに、読むのを後回しにしていた勢の自分としては、大変満足のいくアニメ化だったわけだが、その中でも門出と凰蘭の声を本職ではない”幾田りら”と”あの”と云う音楽畑の人が演っていたのが新鮮でハマり役に感じた。2人が担当したED曲なんかも、いつもの”自分たち”が歌う時の感じと少し違うような雰囲気で、ちゃんと門出と凰蘭が歌っているように聴こえた。彼女達にとって、唄うことと演じることは、必ずしも別物ではなかったのだろう。なんとなく”秋田ひろむ”が主役のアニメ映画とか面白いだろうなと頭によぎるくらいには、可能性を感じるアリな人選だったと思う。

 

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こうしてデデデデのことを色々思い出しながら書いていると、ここまで食べ易くされててもSFを食べられない人が居るだなんて信じられない。食べず嫌いなだけなのでは?と邪推したくなる。確かに怖いまである独特のSF表現もあるので、苦手な人も居るだろうけれど、そうした大人な味わいがあってこそ活きる”絶対”がある作品なので是非諦めずに最後まで観て欲しいものである。いやぁちょっと久々に骨太なSF小説読みたくなってきた。良いSFに触れるとSF熱高まるよねw

 

ゲームと動画鑑賞ばかりの生活になっているが、ちゃんとした読書の時間を前みたいに用意したいものである。積み本は十分過ぎるほど目の前に並んでいるのだから。そういや創竜伝も足踏み状態だったな....

 

 

 

何度でも言いますけど、本当に良い作品ですデデデデ。

 

 

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