無差別八方美人?

全然無差別じゃないおじさん

部屋とエアガンと私5

”エアコキ”
 
トイガンの世界を子供の頃に通っている人であれば、おそらく初めて触るエアガンはエアーコッキング式の物になるかと思う(銀玉鉄砲のような、ストライカー方式の弾を直接叩いて飛ばす物はこの際割愛する)
 
エアーコッキングについて一応説明しておくと、トイガンのスライド等を引くことでバネを圧縮し、トリガーを操作してそれを解放することで勢い良く押されたピストンが空気を放出してプラスチックの球体を飛ばす方式を略してエアコキと呼び、ガスや電気といったパワーソースは必要としない。難しいことは一切なく、シンプルにエアガンの基本を楽しめる良い仕組みだと思う。
 
個人的には一発ずつ装填して撃つエアコキ行為が好きだ。スナイパーライフルやショットガンタイプのエアガンにもエアコキ仕様の物が沢山あるが、特にハンドガンのエアコキが本当に楽しい。銃そのものの質感や性能面で言えば、勿論ガスガンや電動ガンやモデルガンには及ばないものの、安価であればこそ思い切ったカスタムもし易く、なによりフルオートで撃ち尽くす銃と違いじっくり遊べるのが良い。唯一の悩みはエアコキタイプのエアガンを出している会社が数社を除き殆ど存在しないことくらいだ。
 
何故そんなことになっているのか?その理由は日本最大手のエアガン会社”東京マルイ”にあるだろう。誰もがエアコキに求める要素をほぼ完璧に表現しているマルイ製品は、見た目も性能も価格以上に仕上がっているし、なにより弾がちゃんとサイトを向けた先に飛ぶのが気持ち良い。エアコキに限らず、日本で一番流通してるのは東京マルイの物だが、それはそうした理由の積み重ねあっての代物。しかしそのせいで他社のエアコキが下火になってしまったのは残念な気がしてならない。
 
スライドを押すタイプのエアコキを作っていた"ヨネザワ"。自分で組み立てるエアコキも出していた"LS"。そしてガスガン並みの質感と価格で勝負した”マルシン”。それぞれ自分達の売りを活かしたエアコキだから、今買ってみても楽しさを感じる面がある。勿論作りが挑戦的なため、中古で買っても直しようがない状態の個体が多いけれど、なんとか撃てる状態にしようと整備する苦労もエアガン好きにとってはご褒美同然。なんでもかんでも東京マルイのコピーで終わるよりよほど良い。
 
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撃つとスライドが後退するため、エアコキなのにブローバック気分を味わえるヨネザワ
 
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自分で組み立てる喜びも、今では廃れてしまったのだろうか?....
 
 
最近のお気に入りは、今も健在のメーカー”マルシン”が80年代に出していたワルサーPPK/S。エアコキであり、手のひらサイズの小柄な銃でありながら、確かな重量感と各所の作り込み(ハンマー、マガジンキャッチ、セフティレバーの可動)、そしてグリップ内部へ集約されたコッキングメカニズムが痺れる。コッキング自体は、そうした機構の性格上とても重く、子供が引けるスライドの重さではないが、それがまたツボに刺さってたまらない。トリガーを起こした時の音も小気味良いし、弾を発射した時のポンッと云う響きも東京マルイ製では味わえないものがある。
 
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当時の販売価格だとしたら、なかなかの値段である。
 
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最初に買った個体のマガジンに不具合があり、もう一つ購入した物を参考にパーツを自作して修理。
 
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気分を良くして、既に塗装されていた物へ更に塗装を施した。安っぽいシルバーですまないと思っている。
 
 
エアコキは面白い。自分は内部に興味があるから尚更かもしれない。海外製の質感に拘ったエアコキも近年増えており、飽きる気がまるでしない。
 
次はLSの組み立てるエアガンを作る気満々の私でした。