蒸し暑い月曜を叩きつけるような雨が盛り上げ始めた最中、次元大介役で馴染み深い小林清志さんが亡くなっていた事が報じられた。８９歳であった。
次元大介が小林清志さんを語るうえで重要な物ではあるけれど、渋いと一言で表すことすら躊躇う重みのある声質なので、外画の吹き替えは勿論、物語を動かす重要なポジションの役が実に多かったように思う。こうした訃報の際、毎度例に挙げてしまう銀河英雄伝説にもアドリアン・ルビンスキー役で出演してくれていたが、もう完全にルビンスキーと融合していて最高でしかなかった。つくづく銀英伝の旧OVA版は人選にハズレがないと思う。
とは言え次元なのだ。結局真っ先に次元を惜しんでしまうのは止められない。うっかり次元大介の墓標を見てしまうほどに。
ルパン三世の劇場版第1作目より前の時系列を描く本作。ルパンと次元が若々しく、後の馴れ合いが全面に出る以前の絶妙な緊張感を保った二人の関係に痺れた。やばい殺し屋に狙われた次元が絶体絶命かと思いきや....もうその先は説明する必要などないだろうと云う王道がやはりルパンらしくてかっこいい。
目隠れ属性２００%
令和の腐女子も文句なしのコンビ
そういや次元て不二子のこと本当は好きだったよね？
もはやこんなハードボイルドはトムスにしか作れないのだろう。小林清志さん亡き今、渋い役はどうすんだよ？と云う嘆きもあるかもしれないが、ちゃんと数人育って来てるので、そこら辺の心配はしていない。ただ、あの声は唯一無二だったことは確かだ。次元大介の墓標の段階で８０歳を超えていただなんて思えないほど艶を感じてしまった。
塩沢兼人さんのように、４０代で亡くなるよりは踏ん切りがつくけれど、自分が素晴らしいと思える人が死んで行くことに、慣れたりはしないものである。
本当に今までありがとうございました。
先を急いだ後輩達と、のんびり煙草でも吹かしてください....
