無差別八方美人?

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全然好みの映画では無かったものの.....「アナと雪の女王」ジョン・ラセター/感想

初めてアナ雪を最後まで観た。今までは冒頭や有名なシーンだけをチラチラ見たり、周囲やネットの反応をチェックするだけだった。
元々熱心なディズニーファンでも無く、近年のディズニーアニメの人間の造形が苦手で、あらすじを聞く限りでも自分好みの作品ではないと分かっていたから、これまでちゃんと見ることは無かったし、これからもそうなるところだったのだけど、昨夜は早く帰れたせいでご機嫌だったのか、冬のうちにさっさと観てHDDレコーダーから消してしまおうと思っただけなのか、気紛れで観始めてしまったのだ。
単刀直入に言って、やはり好みの映画ではなかった。周囲が許容しきれない特別な才能を持った女の子エルサと、その姉妹であるアナの美しい絆が本作の売りだと思うのだけど、自分の力に恐怖して皆の元を去り、また同時に自らの才能の素晴らしさも知ることになるのがどうも引っかかった。正確には彼女の設定云々ではなく、彼女に共感を覚えた世界中の女性の感覚にである。
例えばそう、自分の奇異な才能が周囲に受け入れてもらえない人、もしくは自分には才能があるはずと疑わない人でもいい、そういった方が呪われていると思っていた才能が実はコントロール出来れば素晴らしいものだったと知るエルサの姿に開放感を覚えるのは、異世界へ行ったら自分が超人的な才能を発揮出来たというハーレム物のラノベやアニメにハマるのと同じことだと思うのだ。これを苦々しく思わずしてなんとすれば良いのだろう?......
こんなブログにうっかり舞い込んでしまったアナ雪ファンは気分を害するかもしれないが、この作品に心酔するのは自らのためにならないとすら思った。自分の才能を過信したり、自分を理解しない周囲を責めることにも繋がりかねない。「私はエルサではない」と冷静に己を分析し、あくまでもフィクションとして受け取った方が、自己顕示欲で苦しむこともないだろう。
まあそうは言っても、これほど周到に組み上げられたのでは、ハマってしまうのも無理からぬことではある。本当にジョン・ラセターは罪作りな男だ。男女のロマンスを匂わせつつ、実はそうじゃありませんと構成する上手さや、雪山の風景とアナ達の装いの美しさもさることながら、細かな部分の発明が実に良いのだ。特に雪だるまのキャラクターが悪い王子に閉じ込められたアナを人参でピッキングして助ける一連のシーンが最高で、氷柱の先を折って望遠鏡にするのには目から鱗が落ちた。
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冬の装いの方が可愛らしいアナ
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一番インパクトがあった雪だるまのオラフ
時々ミュージカル仕立てになったり情報量ぎゅーぎゅーで足早に進むところは押しの強い女性に言い寄られているみたいで辟易したが、お話自体は王道で楽しめた。
何故あそこまで日本で盛り上がったのか(広告の仕方かな?)は、最後まで分からなかったけれど、見て良かったと思う。次はズートピアでも見ようと思った。あれは人間出て来ないしねw
追伸、トナカイ本当にいい奴だったね(はぁと)
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