キャラ読み&大学あるある「キウイγは時計仕掛け」/森博嗣/講談社/2013年/感想
前回の「ジグβは神ですか」 で、かなりあのお方に近づき弾けていた分、今回は番外篇色の強いマイペースさを感じ、祭りが終わってゆく時の寂しさというか、自分達で歩くことさえままならなかった子供が自分を当てにしないで巣立ってゆく時の嬉しさ半分悲しさ半分な気分というか、まだこの先3冊出る予定とは思えないほど文章の端々から「もう好い加減このシリーズはいいでしょ?」と言う森さんの気持ちを感じたように思いました。
本当のところは分りませんけど、このシリーズは既に編集者と約束であるのと、ファンへのけじめとして森さんは書いているように思います。このシリーズでは既にモチベーションが上がらないから、意味無しジョークを増幅させたような事件ばかりをネタをしてなんとかシリーズを続けているのでは無いでしょうか? 小道具にされたキウイにしたって、これが並みの作家の作品だったら「はぁ?」と思って終わりだったと思います。
森作品だから
ただそれだけで許せてしまう僕らも僕らという話です....
建築学会の準備中、キウイに缶のプルタブが刺さった物が大学に送り付けられ、その後の殺人事件に繋がってゆくと言うキウイγは学会ネタが多過ぎたので尚の事そう感じてしまったわけですが、Gシリーズらしい同窓会気分はやはり嫌いじゃ無いです。特に研究者としての道を諦めた”加部谷恵美”の恋と大学への未練が良い感じに書かれてて良かったです。雨宮純との絡みにもほのぼのさせられましたw
後はそう、今回の私的MVPは、国枝桃子先生ですねっ!
全然笑顔を見せないけれど、可愛くて可愛く仕方無かったwww
今回はインターバルな位置づけだったので、完結からガッツリ遠退いた気分で肩透かしを喰らいましたが、12巻予定のGシリーズも佳境へと向っているのは確かなので、次はまたギアを上げ始めるかもしれませんね。
真賀田四季に振り回される面々のままならない日常を愛おしく思いつつ、次は森流チャンバラ活劇の新作「フォグ・ハイダ」に凸入します (`・ω・́)ゝ