※若干ネタバレあり。
昨日やっと観終わってから、ずっとピングドラムとはなんだったのかを考えていた...
自分達が望む望まないに関係無く始まる人生。
自分の意思が届かない場所から始まった人生で、沢山の何かを得る者もいれば、何も得る事無く、初めての呼吸さえする前に消えてゆく者もいる。
そんな人生を呪う者も少なくない。いや、むしろほとんどの人間が、呪いのごとく想いを抱いた事があるはずだ...
「何故自分達がこんな目に遭うのか」と...
ピングドラムの主役達もその例に漏れない不幸な者達だった。
妹は不治の病。優しかった両親はテロリスト。
その事実が彼等を追いつめ、贖罪を迫って来る...
自分達が望んだわけでもないのに、僕らは何者かになっている。悪い冗談みたいだ人生は。
でも、自分から望んだ命じゃなくても、誰かに一言自分を望む言葉を掛けてもらえたら、それだけで人は、予め定まっているかもしれない人生を生きてゆける。
ピングドラムとは、まさにそう言う存在を暗喩したモノだったのでしょう...
一方向に輪り続ける運命の歯車は、誰か一人の想いでは変えられないない。沢山の想いが交錯しあい求め合った時にやっと世界は変わる。人に、世界に絶望しそうな現代で、僕達がどう生きてゆくべきか、この作品は教えてくれているのかもしれませんね...
ほぼ幾原氏独りの脳内暴走で産まれたピングドラム。楽しい事も、哀しい事も沢山ありました。残された多くの謎も気になる方も多い事でしょう。でもこれで良いんじゃないかな?それぞれの中にピングドラムが産まれる事こそ大事なのだから。
「しびれるだろう?」の眞悧先生や、日記の力で世界を書き換える事が出来た桃果が、一体何者だったかなんて気にするのは野暮。幾原氏の受け手の感受性に働きかける、巧みな演出を素直に味わってなんぼですw
これだけの作品を見せられた幾原ファンとしては、質は下げて欲しく無いけど、早い時期に次回作を創って欲しいと想ってしまいますね。なにしろ97年のウテナ以来の原案&監督作品でしたから。全然観足りないですよ監督ww
まだまだ頭の中で纏まらず書き切れない想いはあるけれど、そろそろ僕らの生存戦略始めましょうか?( ☣_ゝ☣)
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