無差別八方美人?

全然無差別じゃないおじさん

イクハラクニヒコ線に揺られて...ガタンゴトン「輪るピングドラム/幾原邦彦/Brain's Base/2011年/アニメ/感想」

※若干ネタバレあり。

 昨日やっと観終わってから、ずっとピングドラムとはなんだったのかを考えていた...

 自分達が望む望まないに関係無く始まる人生。

 自分の意思が届かない場所から始まった人生で、沢山の何かを得る者もいれば、何も得る事無く、初めての呼吸さえする前に消えてゆく者もいる。

 そんな人生を呪う者も少なくない。いや、むしろほとんどの人間が、呪いのごとく想いを抱いた事があるはずだ...

 「何故自分達がこんな目に遭うのか」と...

 ピングドラムの主役達もその例に漏れない不幸な者達だった。

 妹は不治の病。優しかった両親はテロリスト。

 その事実が彼等を追いつめ、贖罪を迫って来る...

 自分達が望んだわけでもないのに、僕らは何者かになっている。悪い冗談みたいだ人生は。

 

 でも、自分から望んだ命じゃなくても、誰かに一言自分を望む言葉を掛けてもらえたら、それだけで人は、予め定まっているかもしれない人生を生きてゆける。

 ピングドラムとは、まさにそう言う存在を暗喩したモノだったのでしょう...

 一方向に輪り続ける運命の歯車は、誰か一人の想いでは変えられないない。沢山の想いが交錯しあい求め合った時にやっと世界は変わる。人に、世界に絶望しそうな現代で、僕達がどう生きてゆくべきか、この作品は教えてくれているのかもしれませんね...

 

 ほぼ幾原氏独りの脳内暴走で産まれたピングドラム。楽しい事も、哀しい事も沢山ありました。残された多くの謎も気になる方も多い事でしょう。でもこれで良いんじゃないかな?それぞれの中にピングドラムが産まれる事こそ大事なのだから。

 「しびれるだろう?」の眞悧先生や、日記の力で世界を書き換える事が出来た桃果が、一体何者だったかなんて気にするのは野暮。幾原氏の受け手の感受性に働きかける、巧みな演出を素直に味わってなんぼですw

 これだけの作品を見せられた幾原ファンとしては、質は下げて欲しく無いけど、早い時期に次回作を創って欲しいと想ってしまいますね。なにしろ97年のウテナ以来の原案&監督作品でしたから。全然観足りないですよ監督ww

 

 まだまだ頭の中で纏まらず書き切れない想いはあるけれど、そろそろ僕らの生存戦略始めましょうか?( ☣_ゝ☣) 

 

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