どうにも古い映画ばかり観ている気もするが、今回はパトレイバーの劇場版一作目を4DXで観て来た。
ナウシカにしてもそうなのだけど、古い映画を先端の鑑賞スタイルで観る事に、果たして何処まで意味があるのか?と云うのは付いて回るわけだが、実際観てみると様々な再発見と新体験が待っているから不思議である。
そもそもパトレイバーなどは、ナウシカの比では無いほど個人的には観ている作品であり、それこそこれ以上観ても素直に楽しめるか不安ですらあったが、観賞後に寄った何十年も通っているラーメン屋の味と同じように、何度目だって変わらない良さを感じて楽しめた。癖のある登場人物達のわちゃわちゃした掛け合いと、所謂”押井節”の泥沼感のバランスの良さがこれでもかと詰め込まれた作品だなと改めて思った。2作目より断然1作目と云う意見が多いのもよく分かる話である。ただ、俺は2作目の沼も大好きであることだけは明記しておきたい。
パトレイバーはメディアミックス作品として幅広く成功したが、その制作集団ヘッドギアに後から参加する形になった押井守と他のメンバーの間で、何かとやり合う形になって、某氏など押井氏と絶縁状態に陥っていたとさえ云う。作り手なのだから自分のやりたいことがそれぞれあるし、何せメンバーが”ゆうきまさみ”、出渕裕、高田明美、伊藤和典、押井守なのだから当然だったはず。しかし結果として個性がしっかり出たアニメに仕上がっていたのだから、そういった衝突すら糧になったと見て良いのだろう。
それはそれとして、2度目の4DXで感じたのは、動きが激しい作品はちょっと疲れるかなだった。物静かなシーンも多いパトレイバーだが、レイバー同士の戦いは非常に激しいし、何より水が絡むシーンが多くてびしょ濡れとなり、夏なのに涼しさを通り越しそうだった。頭部両サイドからエアーを放出する時や、背中をピンポイントで突くような動きも少々使い所が難しいなと感じたし、風を吹かせる時のファンの音が結構気になってしまう。あと、前も書いたが目の前から飛んでくる水が目に入る高さなのは勘弁願いたい.....
パトレイバーの劇場版を4DXで観た結果、凄く寒かった。内容がじゃなくて物理的に寒かった...終わったら目の前のシートや床がベチャベチャやぞw pic.twitter.com/HcurjDmNZx
— はづき (@i_lain_i) July 23, 2020
懐古趣味と斬って捨てられそうだが、こうして過去作を連チャンで見ていると、子供だったから、まだ生まれて居なかったから観に行けなかった時代の作品を、劇場で観たい欲が擡げ出してくる。真っ先に浮かぶのはガイナックスの「王立宇宙軍オネアミスの翼」だ。めぐりあい宇宙やアンドロメダ終着駅も捨て難い。押井守繋がりで云うなら天使のたまごだって劇場だとヤバそうだ。あの時代の作品の音の強弱演出は秀逸だから、劇場の音響で体験する価値は必ずあるはずである。