”ロサンゼルス”の架空の街”ファーミントン”で、ギャング相手に活躍する警察ユニット”ストライクチーム”のボス”ヴィック・マッキー”は、自分のルール以外、何者にも縛られたくない男。
彼は犯罪者を捕え街の秩序を保つ為、何よりも仲間や家族を護る為、どんな汚い手も使い最善の道を選んで来たつもりだったのだが、過ちを一つ重ねるごとに増える嘘で結局家族を傷つけ、仲間を裏切り、気付けば彼の元に残されたものは虚しい現実だけだった...
自業自得と言ってしまえばそれまでだが、何度も更生しようと彼や仲間が考えていた事もまた事実で、最初から最後まで見てしまった後では、彼等を一方的に責める気持ちにはなれない。
ただひたすら虚しさばかりが募っていった....
今思えば、最初に自分達”ストライクチーム”を内偵していた警官を撃ち殺した事が全ての始まりでしたね。あの第一話は、歴代刑事物ドラマの中でも屈指の衝撃が有りました。その後もズルズルと悪の道へ手を染めてゆく彼等に、嘘の上塗りでにっちもさっちもいかなくなっていた自分を重ねてしまう時さえありました....
いくら実際にあった出来事をモチーフにしているとはいえ、これほどのディティールで善悪を描くドラマにはなかなか出会えません。下手なドキュメンタリーを観るよりよほど生々しい。
全てを犠牲にして手に入れた物に、何の価値があるのか一生を掛けてヴィックは苦しむ事になるのでしょうね....
後味は悪いが、凄まじいドラマでした。