またも季節の変わり目に風邪をひきました。
若い頃は何がなんでも仕事へ行ったので、僕が風邪で休むと「お前でも休むことがあるんだな」と良く言われていたものですが、今は少し熱が出ると素直に休みます。いくらエイプリルフールだからって、冗談で風邪ひいたとか言いませんしね(゚o゚;;
結局昨日は背中が痛くなるほど、ほとんど寝て過ごしたわけですが、食後に70頁ほど残っていたタイタニアの最終巻を読み切るくらいの余力はあったようです。
まあ、ほぼ波乱らしい波乱もなく、ほぼ予測の範囲内でファンが狂気も狂喜もしない無難な終焉でした。生き残るべき人が生き残り、死ぬしか道が残されていない人は絶命しました。銀河英雄伝説のヤン・ウェンリーやラインハルトのような絶対的な存在が居ない分、ある意味では中途半端な作品ではありましたが、大きな体制の抱える問題点と、それが瓦解した時、人々はいかに無力であるかと言う点については”田中芳樹”節が冴え渡っていたように思います。
”あとがき”がまたらしくて良かった。まるで負けてるのに勝っていると言い続けていた旧日本軍のように、過剰に今の日本を華美した書籍が並ぶ平台や、歴史を軽視した方針を打ち出し、過ちを繰り返す土壌を作ろうとしている国に怒り心頭といったご様子でした。
田中芳樹さんの作品は、薬師寺涼子の怪奇事件簿シリーズの途中からほとんど読まなくなっていました。理由は単純、田中芳樹さんのそういう愚痴っぽさが少々胃にもたれるようになって来たからです。
言ってることはもっともだし、大いに頷く面も多々有るわけなんですが、流石に近年の作品は酷すぎました。田中芳樹作品にはよく「人徳の差だな」というような軽口が見られますが、はたしてここまでファンがタイタニアの完成を待ってくれていたのも、人徳のなせる技だったのか?と、首をひねる想いです。あとほんの少しだけ、娯楽性とのバランスを考えて皮肉を織り交ぜて欲しいところ。
亡き石黒昇さんが監督を務めたアニメ版のおかげで完結までのモチベーションを上げてゆけたと言う田中芳樹さん。
是非この春から放送を開始する荒川弘版アルスラーン戦記のアニメを観ながら、原作を一歩でも早く完結に結びつけて欲しいものです( ´Д`)