無差別八方美人?

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レギュラーが降板する理由は、なにもお金だけではない『パーソン・オブ・インタレスト PERSON of INTEREST 犯罪予知ユニット シーズン3 #10「悪魔の取り分」』/AXN/感想

 大規模なテロが自国でも普通に起こることを知り、いまや当たり前のように監視ネットワークを構築することに肯定的な人々が増えたアメリカ。
 しかしそれは国の安全の為に個人の安全を脅かす物でもある。不特定の監視により得られた情報を国が漏らさないとは限らないし、こちらの承諾もなくネット環境にある端末(PCやゲーム機)の情報を調べられるのは大いに息苦しい...
 しかし、もしも国家規模ではなく個人レベルで僕達を護ってくれる監視システムがあったとしたらどうだろう?
 今にも高い場所から落ちそうになっている人であるとか、出血するような怪我をしているけれど周りに誰も居ないだとか、一人暮らしの老人がなにかしらのトラブルに合っているだとか、身近なトラブルの役に立つ監視であれば印象が違って来るかもしれない。
 パーソン・オブ・インタレストは、そんな個人の為に監視システムを使いたいと考えた連中のドラマであります。まあ娯楽作品なので、些細なトラブルでは無くド派手な犯罪に巻き込まれ死んでしまうかもしれない人を助ける話なんですが、監視をしているのがAIで、人間は弾き出されたデータを元に救うべき人間を探すという展開がなんとも面白い。
 最初は懐疑的だった人も、システムの有用性を認めて協力するようになったりもする。監視に人間を挿まないから、プライベートを見られている嫌悪感も若干薄らぐし、何より自分ではどうしようも無い事態から護ってくれるのだから感謝の気持ちが上回るんじゃないでしょうか?
 ※この先ネタバレ
 警官であるジョス・カーターと言う重要な人物も、そんなシステムの恩恵を間接的に活用して人助けをして来たのだが、シーズン3に入って一気に死亡フラグが立ち、まさかと思っていたらお別れの時が来てしまった。
 別段トラブルがあったわけでもなく、制作側のストーリーラインに彼女の居場所が無くなっただけで、役割を終えたからの降板らしいのですが、とても良いキャラだったので、本当に寂しかった。 製作陣も同じ気持ちだったのか、シーズン3は彼女を中心としたエピソードをメインで組み、最後の勇姿を感動的に描いていましたね。
 彼女の葬送で始まる回「悪魔の取り分」では、カーターの仇を追い求める仲間達の怒りや哀しみが大爆発。これをシーズンラストにもって来た方が良かったんじゃないかと思うほど良かった。悪党には容赦しない天下無双な主人公の暴走する怒りや、元悪徳警官だった男がカーターから引き継いだ警官魂にも凄く痺れた。
 血も涙も無い犯罪者までもが惜しんだカーターの命。彼女の命と引き換えに、どんな素晴らしいストーリーを手に出来るのか、これからもパーソン・オブ・インタレストから眼を離せない....