浮き沈みの激しい音楽業界では、毎年幾百幾千の音が夢見る事で呼吸している人々の手によって産まれ、消えてゆく。
それはあっという間の流れ星。その瞬きに気付いた人達がどれだけ居たかによってその名が残るかどうかが決まって来る。
だが、他の誰もが気付かず通り過ぎてしまったからと言って、全く価値が無いかと言えばそんな事は無い。華も無く、売る力も無く、貪欲さも足りず、素朴な実直さだけが取り柄だとしても、わずかでも誰かの心に届いたならば立派な音楽だ。
ウォークマンに入れた膨大な曲をランダム再生中久々に耳にしたこの曲を聴いて改めてそう思った。
歌が上手いわけでも無く、歌詞が洗練されているわけでも無い。
楽しくなる歌でも無いし、勇気付けられる歌でも無い。
けれど後を引く切ない残像が一度聴いたら心にこびり付いて離れ無いほどしっくり来る。
錯覚かもしれないセンチな想いがたっぷり詰まった彼等の曲は、思春期の頃の名前の付けようが無い想いを呼び起こさせる。不器用で上手に想いをコントロール出来なかったあの頃を...
今もそんなに上手じゃないけどねw
歌を通し自らの探し物を続けるのがアーティストだと言うのなら、荒削りでも真剣に歌と向き合う彼女達は間違いなくアーティストだった。
音楽性もビジュアルも地味だったけれど、音楽への姿勢が本当に好きでした。
解散してから7年以上経ってしまいましたが、どんな形でも彼等が音楽を愛し続けていたら嬉しいです。
それにしも、ちょっとやそっとの「好き」じゃ長く続けるのが難しい音楽業界の厳しさを思うと、何十年も音楽活動をしている人達がモンスターに見えて来ますね... (= ワ =*;)